2008年11月17日

管理職は誰が育てるのか?

日経ビジネス オンラインに「管理職が壊れる〜企業内“多重債務者”の悲鳴」という記事が掲載されています。

部下の人事評価、セクハラ・パワハラ対策、情報管理、内部統制…。
中間管理職が“多重責務”に押し潰されそうになっている。
仕事が増えても給料は上がらず、やる気はどの階層よりも低下する。
生気のない上司を見て、若手は「管理職にはなりたくない」と言い出した。
組織を支える「ゼネラリスト」の崩壊。日本企業の新たな危機だ。

上記を枕に大企業での事例を交えながら、これからの中間管理職を企業としてどのように育て、どのように扱っていくべきかを問うている記事で、非常に参考になるとともに、とても考えさせられました。

部長や課長といった、いわゆる中間管理職の役割はいくつもありますが、主なものを上げるとすれば以下の3つに集約されると思います(日経の特集では様々な役割を称して多重債務としていますが、突き詰めればこの3つなのではないかと)。

1、自部門の数値目標の達成
2、経営層が唱えるビジョンの末端までの浸透
3、部下の育成、指導(マネジメント)

この3つを同時に達成させることが中間管理職の職務であり、経営層はその3つの達成をある一定の裁量とともに中間管理職に託します。

さて、昨今の日本の企業では、米国に端を発した未曾有の金融危機に巻き込まれまいと、業務の効率化、スリム化を提唱しています。無駄な費用を徹底的に削減し、すこしでも費用を抑えることで原材料の高騰や売上の減少から利益を守ろうと必死です。費用の削減は業務委託費や人件費にも及び、業務委託契約の解除や残業の抑制も命令として降りてきます。

このような状況の中で、中間管理職にはどのような裁量が与えられているでしょうか。
数値目標の必逹、変わらない経営ビジョン、OJTでなんとか育てなければいけない部下達を抱えながら、実際に業務の効率化を行うのは現場の中間管理職なのです。今や、中間管理職に与えられる裁量権とは、費用を削る裁量だけなのです。

そして託された役割のうち、ひとつでも達成できなければ、管理職として失格の烙印が押されてしまう。これで中間管理職のモチベーションが維持できるとは到底思えません。

管理職の士気が下がり疲弊した姿を間近に見た部下達がその管理職に付いて行こうと思うでしょうか。
同様に、自分たちもいずれ管理職になりたいと強く思うでしょうか。
そして、そんな管理職と部下達で構成される職場が高い生産性を発揮できるでしょうか。

ここから先は、以前のエントリで書いたいたことと重複するので、詳細はそちらを見ていただければと思いますが、企業が中長期的な成長戦略を描き、その戦略通りに推進していこうと思う時、最大の武器になるのは中間管理職を含めた従業員なのだということを、もう一度真摯に考えなければいけない場面なのだと思います。

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